草原一面に広がる花があったとして、そこは美しい花畑にもなりまた雑草だらけの土地にもなる。黄色く色付いた大きな樹木がはらはらと葉を落とすのを見て、ある人はなんてきれいな光景だと感動しまたある人は掃除をしなければと面倒くさく思う。降りしきる雪を見て、キラキラ光る宝石に例える事も出来るがこの後の除雪をイメージすればやっかいな白い塊に見えるかもしれない。それらはポジティブやネガティブという言葉で分けられるかもしれないがきっとそう簡単なことではなく、その時々の自分のある状況も大きく作用するのだと思う。
なぜならば、わたし自身旅行先で見た牧草地に広がる一面の青色の花に感動する一方、庭や畑にはびこる雑草を見てうんざりもする。そして車窓から見る紅葉の景色や並木道に敷き詰められた赤や黄色の葉に感動する一方、家の周りに吹きだまる葉を見ると、ご近所さんに迷惑をかけないように掃除をしなければと妙に追い立てられた気持ちになる。すてきなカフェの窓から見る雪は好きだが、朝起きた時に窓の外の道路にどっさりと山のように降り積もった雪を見ると、「ああ、慣れない雪かき作業をしなければ」と落胆する。一面の野草とはびこる雑草、赤や黄色のじゅうたんと枯れた落ち葉、銀世界とどっさり積った雪。なるほど言い方によってポジティブに捉えられるのであれば、新たなネーミングがあれば、嫌な作業も楽しくなるに違いないと考えた。あちこちに広がる野草摘み(日向ボッコ付き)。山ほどの紅葉狩り(家から徒歩0分)。数えきれない程の雪かき(エクササイズも可能)。得して片付く一石二鳥タイトルの出来上がり。では、実際に芝生に咲くかわいい野草摘みを、日向ぼっこでもしながらと考える。いつもより楽しい雑草取りになるだろうか。しかし、そう簡単には楽しくなれるはずもない。ポジティブに楽しく作業をこなすには、それなりの想像力と空想力が必要となるようだ。